【ワ】ワインバー

1990年代後半のワインブームに乗っかって雨後のタケノコのように発生した、ワインオタクの虎の穴。

客たちはまるでプロペラのようにグラスを回しつづけ、バーテンは「バーテンじゃなくソムリエです」と強固なまでに言い張る。

食中酒として発展した酒がワインであるということを考えると、ワインだけで商売として成り立つのかいぶかしんだものだが案の定、バーと名乗りつつもフード類を充実させる方向に進みつつある。

バー・スタイルの最大の魅力はレストランよりも遥かに種類の多いグラスワイン。
同じ予算と飲酒量でレストランよりはたくさんの銘柄を一度に楽しめる。

ただし、注意しなくてはいけないのは目の前で抜栓したボトルがサービスされるレストランのフル・ボトル注文と異なり、注文したグラスワインが、いつ抜栓されたものかがさっぱり不明なこと。


ちなみにバーテンにそれについて質問しても「ええ、まぁ、ちょっと前くらいですかね」と、「どこ行くの?」「ちょっとそこまで」という近所のおばさんのような調子ではぐらかされるのが常だ。

2005>>
今でもワインバーというお店はあちこちにありますけど、あのころよりもメニューに幅が出たのではないでしょうか。
とにかくワインブームと言われたころには「飲み物はワインだけ」「つまみはチーズだけ」「水はペリエエビアン」みたいな、
選択肢が自害か斬首しかない負け戦の将なみの気分が味わえるお店が、雨後の筍みたいに登場していたような気がします。

そして、飲食情報誌だけでなく旅行ガイドブックや女性誌がそういったお店を、「ワインを楽しむならココ!」みたいな特集を組んで、バーテンのことを「ソムリエの○○さん」と写真入で紹介してあおりまくっていたわけです。

ワインはそもそも食中酒であり、ワインは酒の中のひとつの選択肢であることを考えれば、そんな偏った店、ブームの落ち着きとともに、かたっぱしからなくなっていったのも当然という感じですね。

結局残っているのは店名は「ワインバーなんとか」であっても、最初の一杯にエビスの生も飲めるし、腹が減ったらパスタもあるし、最後にグレン・フィデックだって飲める、そんな店なんだと思います。

2011>>
ルロワのワインをフルボトルで頼む以外メニューがない、
そんな店そりゃ厳しいですって。
仕入れるほうもつらくなってくるでしょうし。

 

 

プログラミングもワインバー。 著ジェラルド・M・ワインバーグ

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宇宙論もワインバー。 著S・ワインバーグ

 

もう、ラヴクラフトだってワインバーです。 著R.E.ワインバーグほか