【ワ】ワインブーム

1990年代後半、突如として日本文化史上に構築された砂上の楼閣。

赤ワインを飲むと健康になるというスローガンを掲げ、今まで日本のワイン需要の主流にはならなかった赤ワインの販売を促進した。

また、ブームを支えていたのが
1.本当に赤ワインを健康法と信じて飲んでいた人
2.女性雑誌の特集に躍らされた人
3.田崎真也氏のソムリエ・コンクール優勝に必要以上に感動してしまった人

などさまざまだったために、広がったのか広がらなかったのか、定着したのかしなかったのか、いまだに判定が難しい。

ただはっきり言えることは本当にワインに親しんでいる人はブームとは関係なく、美味しいからという至って単純な理由でワインを日本酒やビールと並列の酒の種類の選択肢として楽しんでいるということではなかろうか。

 

2005>>
まあ結局、このときにここで言いたかったことがすべてだという気がします。

ワインはべつに特別なものじゃないし、ブームだと言って騒いでいるのは、情報発信を仕事にしている人たちだけで、それに乗っかろうとしているのは売る人たちだけ。

消費者には財布の限界も、選択の権利もあるので、飽きた人は飲まなくなるし、思い出したらまた飲むし、もともと飲んでた人はいつも飲むし。
だから多分、ワインブームでもうけたのはもともとそれを売っていた酒屋やレストランではないと思います。

普段は出さないムック本を出版した雑誌社や、あのときだけワインのお勉強をした、非業界人向けのワインセミナーでひとやま当てたヤマ師のみなさんだと思います。


2011>>
もしインターネットショッピングという手段がなかったら、たぶん、ワインはまた飲まれなくなっていたのではないかという気がします。
たとえ賛否両論あっても、ワインをたまには飲みたい私は、インターネットがあってよかったと思います。

 

 

オーパス・ワンの垂直試飲のかたわら、ホームパーティのワインの色に合わせて服の色を選んでコーディネイトみたいなテイストの企画が共存しているなど、全体的にそんな誌面構成でものすごくカオスな一冊でした。逆にいうとどんな知識レベルの人にもどれかひとつは読める記事があるということでもあるんですけど、大体どういう結果になるかは見えていた気がします。