シュナン・ブラン

ロワール地方の至宝、サヴニエールとヴーヴレを生み出すのがこのシュナン・ブランである。
キンモクセイやカリンの香りにたとえられる甘い香りと、なぜか感じる(特にサヴニエール)シェリーのようなノワゼット香がこの品種の特徴だと言えよう。

若いヴィンテージなのにもりもり感じるその熟成香のような香りは、明らかにロワールのもうひとつの雄フュメ・ブランにはない奇跡の悪臭である。

「不自然な熟成香」と「酸っぱいのにハチミツ」この2点が最大の特徴なのだ。

カリフォルニアのジュースみたいなシュナン・ブランはもちろん、南アのスティーンなんかはなりえない大人のワインになるのがロワール産なのである。

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2011>>
初めて「クレ・ド・セラン」をブラインドで飲んだ時、「1800円くらいの気軽な白ワイン」と答えたのはもう十五年以上前。
経験値が必要な美味しさというものはある。

ハリウッドの映画がパッと見てすぐそれなりに面白いのは、シャルドネのようなわかりやすい高級感であって、だけど自分は「ストレンジャー・ザン・パラダイス」みたいなのが好きでたまらない。

 

 

 

とにかくこの映画はすべてのシーンが美しくて、若く幼かった自分にものすごい何かを植え付けてくれました。話自体は淡々としていて何がどうでもないのに、世界中を魅了したのは等身大の自分の生活も少し視点を変えればこれくらいキマってるんじゃないか。くだらないと思っていたこと、カッコ悪いと思っていたことももしカメラを通せば、ファッションに昇華するのではないかみたいな価値観というか。そして誰か自分の生活を自分が気付かないように一年くらい撮り続けてくれてアルバムにしてくれないかなんて思ったものでした。

 

何気ないワンシーンがアートとして商品になるんですよね。

 

この年代にこういう生き方をできなかったからこそ、いつまでも記憶に残るんだと思います。そして自分のやらなかったことを次の世代を演出して作品にしたくなるんじゃないでしょうか。