カバルデス~身分を超え民兵団の先陣を切る若き旗手
「コンニチハ! 1999年にAOCに昇格したカバルデスです! よろしくお願いいたします!」
これをやりたかっだけなので、ここで終わってもいいのだが、それやるとダジャレの方向に突撃しそうなイヤな予感がするので、話、続けます。
単なる南仏の安ワインといってしまえばそれまでなのだが、このアペラシオンの面白いところは、そのセパージュにある。
カベルネ・ソーヴィニヨン+メルロ+カベルネ・フラン …… 40%以上
グルナッシュ+シラー …… 40%以上
マルベックなど …… 残り
なんじゃこりゃ。
この手のブドウの組合せで素晴らしいワインを生み出していた、プロヴァンスの銘酒は、「土地の個性を守れ」の大号令のもと、コトー・デクサン・プロヴァンスのAOC認可を失ったというのに、この豪快なセパージュ。
なんかまかり間違ったら、ボルドーとローヌのいいところをすべて備えた、ものすごいモンスターワインが生まれそうな気がするが、実際のところそんな話は聞かない。
まあ、まだ発展途上のアペラシオンでもあるだろうし、そもそもAOCの下のクラスとなるVDQSのワインを作っていた生産者たちが、いきなりそんな革命ベクトルに動くには、設備も資金も足りないのだろうと推察する。
ただ、この地にもし、ボルドーの大手シャトー資本やローヌのビッグネゴシアンが、本気で爆弾を投下でもしたら、なにか起きるような気はしてならない。事実、元シャトー・なんとかの醸造長がちょっと顔出してみたり、いろいろあることにはあるようだ。
集え! 革命の志士! 集合の地は、カバルデスです!!
それにしてもこういうセパージュがそのまま認可されてしまうのは、もともとAOCより規定の緩かった、VDQSワインからの昇格ならではの椿事じゃなかろうか。そう考えると、古くから評価の高かった産地が、損しているような気がしないでもない。
ただ、「ワインとしての格が上」イコール「市場価格も高い、海外需要も多い」という事実はあっただろうし、それを歴史の上で積み重ねてきたら、AOCワインの産地は、この手の産地よりはるか昔から、評価や収入など多岐に渡り、格付けの恩恵を受けてきたことになるわけで、どちらがよかったのかという結論が出るのは、未来世紀まで持ち越しておきたい。
時代は今まさに倒幕の空気が漂いだし、四民平等の世が訪れる予感に包まれ始めたというところなのだろう。そして反乱軍と呼ばれる一味に身を置く彼は、思わぬ武器を手にしていたことに、ようやく気付いたのだ。
「俺の手にあるこのセパージュとやらは、徳川の世を終わらせる最終兵器かもしれぬ!」
カバルデスは、VDQSという身分層を脱した民兵団の先陣を切る、若き旗手なのかもしれない。なんかカッコいいな、カバルデス。
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