ムルソー事変(Winekipediaより転載)

ムルソー事変

 

ムルソー事変(むるそーじへん、異体表記: ミュルソー事變)とは2018年(平成30年)9月にTwitterへの投稿を発端に、2ちゃんねるからツイッタランドへと波及したとあるできごとである。ワインの資格取得に関する一石を投じたものとして、ネット民の間には教訓を残し、平成最後の祭りとして今なお語り継がれる伝説の一つである。

ムルソー事件」「ムルソーの乱」という表記も散見されるが、事態の本質として「事変」の表記が適当とされる(後述)。特に乱という表現については「そもそもムルソーは何にもしていない」という史学者の見解が一般的にも定着しており現在ではほぼ使用されることはない[要出典]

後日、owarai_wine_tokeiya_21st._mirror(おわらいわいん・とけいや・とぅえんてぃふぁーすと・みらー、旧名・異名:時計屋ワイン店→お笑いわいん時計屋→owarai_wine_tokeiya_RETURNS)により詳細に考察されたことで、ワイン界のサブカル史に残るできごととなった。

 

 

 

発端

2018年9月5日のツイート

ことの発端は2018年9月5日のあるワインスクール校長(以下Kと表記)のツイートに始まる。


にちゃんのソムリエ試験スレに「ムルソー飲んでみたい」って書いてあった。ムルソー飲んだことないひとが受験する時代なんだな。

 

元来140文字という制限の中で発信するTwitterのツイートの中でも短めの60文字程度のつぶやきであった。ツイート自体は「リツイート11件、いいね21件(2018年9月6日現在)」というツイッタランドでは小ヒットな位置づけであり、内容的にもつぶやきの意図は日本にワイン文化を定着させることになったワインブーム期をリアルタイムに過ごした投稿者の、近年のソムリエ試験に対する率直な感想であったといえる。

 

2ちゃんねるにおけるソムリエ試験

一方2ちゃんねるではかねてより日本ソムリエ協会認定のソムリエ資格試験に対するスレッドが作成されており、事変の起きた2018年9月時点においては「20限目」と題されたスレッドが立ちあげられていた。


ムルソー事変

2ちゃんねる上の発言

2ちゃんねる「ソムリエ、WE認定試験 20限目」において、以下の投稿がされたのは「2018/09/06(木) 00:46:36.58」である。

 

今、ツイッターで#ソムリエ試験を見てたら
2ちゃんでムルソーを飲んでみたい。って書いてあって、ムルソー飲んだことない人が受験する時代なんだな。って書いてた女がいた。

確かに見た時、ムルソー飲んだことないんだ。って思ったけどSNSにわざわざ書く必要あるの?
別に飲んだことなくても良くない?
これからいくらでも飲む機会あるよ。 (以下略)

 

 

Kのツイートから1日置かずにこういう話題が2ちゃんねるに出るあたり、すでにワインブームが過ぎたといわれて久しいが、それは過ぎたのではなく、ワインという文化が定着したのだという見方もある投稿であった。
またこの投稿はKのツイートを批判するように読める入り方をしているが、その後半には発言に共感する記述も見られ、あくまで反論を唱えつつも中立的な意見であったと思われる。

しかしその投稿の一時間後に、次の投稿がされる。

 

あー×××(※原文表記を伏せる)の校長ねー,まあ知らんけど。しょうがないじゃんねー、中国人のおかげでワインクソ高くなっちゃったんだし。昔は安かったんだもんねえ。ムルソー飲んだこと無いのがとか言われたって困るわな。
スクールに来る人の神経逆撫でしてどうするんだろうね。明日には慌てて削除すんのかな?オイラはここのみんなのおかげでスクールには通わずに一次は突破したけど、二次どうしようかな~スクール行く暇なんかないし。

 

この投稿においては最初の投稿のツイートに対するKへの共感部分はそぎ落とされ、より明確に反論がなされている。そのためこれが実質的なムルソー事変の始まりであったとする説が現在も有力である。

さらに続けて以下のような投稿があったことから、このできごとはあくまで主義主張の異なる二派によるよくある論争のひとつであり、紛争ではないと見られている。

 

いや、ムルソー飲んだことないソムリエとか私は嫌だよ。信用できない。
エキスパートだとしても、フランスの銘醸地くらいは飲んどこうよって思うし…。
サントーバンとかならまだわかるけど、ムルソー飲んだことないは、ないな。

 

そのため当件は事件ではなく、事変と称されるようになった。

以降もKの目線が上からだという主旨の発言がある一方、以下のように受験生の幅の広がりを指摘する意見もあり、それぞれの主張が交錯していくことになる。

 

ムルソーの件、受験する人の層が広がったんだなぁ、って意味でしょ。どう考えても。
想像力、読解力がなさ過ぎて呆れるしか無いね。

 

経験値のあるプロの立場からはワインに携わる専門職および志願者の多様化を物語るできごとであり、ネットワイン界においてはワインブームの始まった平成の最後を彩る祭りであったとする意見が多い[要出典]

またこの時点ではKは事変に直接的な関与をしていない。

 

イッタランドとの交錯

2ちゃんねる上での祭りは翌9月6日の夜間にはほぼ終息する。その話題はワインスクールに関する別のものへと流れていった。
しかしそれと並行して、Twitter上では別の動きが起きていた。

Kの投稿に対して、時系列的に2ちゃんねるの書き込みに端を発したと思われる批判的な返信がおこなわれるようになる。ワインスクール校長による受験志望者に対するマウンティング行為というものが批判派の見解としては象徴的なものであった。

だが同時にKのツイートの主旨を理解した内容の返信(擁護派)もおこなわれた。またKはあくまで批判的な投稿には誠意をもって答え、擁護派に対しては謝意を述べるといった対応をしている。そのような対応を目にした投稿者の中にはKに対して「そのセーブ力」を称賛するものもあった。

 

ムルソーとは

ムルソー事変」の呼称ともなったムルソー(Meursault)は、フランスのワイン法上における原産地呼称のひとつである。ワイン大国フランスの中でもボルドー地方と並び二大銘醸地と称されるブルゴーニュ地方、コート・ド・ボーヌ地区に位置する村であり、白赤のワインを生む。赤ワインも産するが特に白ワインの人気が高い。
同地区にはシャサーニュ・モンラッシェ、ピュリニー・モンラッシェ、コルトンなどの銘醸地が存在しているが、そのいずれもがワイン法上の特級畑(グラン・クリュ)を擁している。しかしそれらに並び称されるムルソーには一級畑は存在するが、最高位となる特級畑はない。それにも関わらず、その各村と並ぶほどの人気と知名度があるところが特徴である。また日本ではブルゴーニュを代表する白ワインとして知られている。

そもそもムルソーとはどんな立ち位置だったのか。前述のとおり、シャサーニュ、ピュリニーと比較すると、特級畑がないという時点で後塵を拝しているという見方もあるが、この地にはスター生産者が存在している。先鋒としてはコント・ラフォン、その後コシュ・デュリだ。彼らのワインはピュリニーの凡庸なワインをはるかにしのぐ市場価格で取引されている。そのためワイン生産地としてのステータスは低くないどころか、むしろ高い。
そして伝統的なムルソーの特徴である樽熟成は、この地のワインに特筆すべき個性を与えた。それはシャブリのステンレスタンクによる熟成とは両極端の個性であった。
シャサーニュ、ピュリニーのワインも樽熟成という個性を持っているが、ムルソーには特級畑がないというのを逆に生かす利点があった。つまり一部のスター・ドメーヌのワインは価格的にも最上級のブルゴーニュ白ワインだが、平均的な生産者やネゴシアンの手によるものを選べば、決して手の届かない価格帯のワインではなかったという点である。2018年現在では信じられないかもしれないが、ワインブーム当時のイメージとしてはピンのムルソーは1万2千円するが、キリなら2980円でもいけたといっても過言ではない。
そこでその両極端な個性と相まって、シャルドネというブドウ品種の作り方による比較対象としてシャブリの相手に選ばれる地位を確立したのだ。
ピュリニー、シャサーニュも樽熟成のシャルドネという個性は同様だが、やや割高であった。

さらにムルソーにはあとひとつ親しみやすかった大きな理由があった。それが名前の短さである。
シャブリ:ムルソー。この対比が日本人にとって、シャブリ:ピュリニー・モンラッシェより親しみやすかったというのは、あながち風説とはいいきれないだろう。シャサーニュ・モンラッシェに至ってはワインブームがはるか昔に通り過ぎた21世紀にあっても、いまだに専門店の商品名にサシャーニュ・モンラッシェとという表記が散見されるくらいなのでいうまでもない。語学者によって日本の言語学史上、フランス語に対するなじみの薄さ、接触してからの歴史の浅さにより、発音になれていない国民にとっては短い文字列が好まれる特性があることが挙げられている[要出典]

 

ムルソーの悲劇

前項で述べた通り、ムルソーはかつて樽熟成をしたシャルドネの代表として名をはせた。前述のとおりその理由のひとつに価格というものがあった。
しかし日本におけるワインの需要が一過性のブームを通り越し、文化としての定着を迎えるにあたり、大きなライバルが立ちはだかる。チリワインを代表としたニューワールドワインである。温暖で安定した気候のもと生産されるシャルドネは果実の時点で十分な糖度を蓄え、低価格帯のワインに使われるブドウであっても樽のフレーバーを受け止めるボディを有していた。
そのためソムリエ資格試験の受験対策として「樽のきいたシャルドネ」を何度も体験したいという受験生たちは、より安価で求める味わいを体験できるこれらのワインを入手するようになり、受験生市場におけるムルソーは影を潜めていったのだ。またKもツイートの中で言及するように近年の市場におけるワイン価格の上昇もその傾向に拍車をかけている。同じ時代に資格試験を受験したもの、ワイン業界に携わったものはおおむね同様の見識を持ったようである。


発端となった投稿の真意


直前の投稿を見るとわかるのだが、発端となった投稿の前日にはソムリエ資格認定の一次試験の結果が発表されており、Kのもとには生徒たちの合格の一報が続々と届いていた。そんな中Kがソムリエ資格認定試験について検索をした結果、たまたま2ちゃんねるの「ムルソーを飲んだことがない」という主旨の受験者(または受験志望者)の投稿を目にし、発端となった投稿をしたと思われる。

実際前述のようにかつてムルソーは、樽を利かせたシャルドネの味を体験するのには最高の教材であった。それは以下の投稿でKも述べるとおりである。

 

うわ、そうでしたか!

昔は(大昔?)
樽のシャルドネ=ムルソー
ステンレスのシャルドネ=シャブリ

で勉強してたのが、新世界のワインが増えてバラエティ豊かになって、そういう時代なんだなぁと(後略)

 

 

当時の教材としての価格がいかほどかは不明だが、投稿の動機は3980円くらいのムルソーがもっとあちこちで購入できた、もしくは販売できた記憶にあったと推測され、現在ではこの投稿は他意のない懐古ネタ投稿として認識されている。

 

来歴にもとづくKの対応

Kは当件においていわゆる炎上した存在であった。しかしネットにおける経験値は今回2ちゃんねるで論争を繰り広げた面々よりはるかに高かったことがわかっている。ワインというある意味で閉鎖的な世界のアイテムがインターネットという開かれたステージに立ったとき、その先陣を切ったいくつかのサイト(テキストサイト:当時はホームページ、HPと称された[要出典])のひとつはKの手によるものであったとされる。それは後述する終息に向けての動きの中で垣間見られるKの対応スキルの中に顕著である(SNSのなかった当時は各サイトに掲示板、BBSと呼ばれる交流ツールが設けられ、そこにおいても同様の論争がままあったことが歴史的な調査結果として報告されている[要出典])。炎上時の鎮火スキルが経験に基づいて構築されるものであることは、多くの有識者が報告している[要出典]

またKを擁護する返信者の中には、ネットにおけるワインサイト黎明期からのベテラン運営者の名前も見受けられた。

一方論争の相手となったものたちはこれから認定試験を受験するという立場から推測して、個人サイトからブログ、SNSへと情報発信の主流が移行して以降の世代であったと推定される。

 

価値観の世代間格差

現在では「ムルソー事変」とは、ワイン資格試験における価値観の世代間格差を浮き彫りにしたできごとであったと認識されている。すなわち、キリのムルソーが2980円[要出典]だった時代の既資格取得者と、ムルソーがキリでも7980円からスタートする新規受験志望者との間に生まれた時代における通貨価値に対する感覚の違いに起因する論争であるという見解である。
また世代間における意見のずれが生じた最大の要因として、2018年現在樽のきいたシャルドネのサンプルとしてムルソーより低価格帯のワインが、日本市場で簡単に見つかるようになっていることがあげられる。

 

事変の終息と与えた影響


事変の終息

Kの発言が、自身の受験当時の樽熟成サンプルの代表がムルソーであり、そのかつての市場価格が2018年現在の相場より安価であったという記憶に基づくものであるという見解が大勢を占めることになる。同様の認識を持つ多くのアカウントが、発端となったツイートに共感をもって返信した。そのことによりKに批判的であった2ちゃんねる住民と、擁護者が多かったツイッタランドの住民はおなじネット上に棲息していても決してイコールではないということが浮き彫りになった(ネット民棲み分けの定理)。
実際には2ちゃんねるを飛び出してツイートに反応したコメントもごく一部を除きおおむね好戦的なものではなく、発信者の立場を理解したうえでの訓戒的なものであったことが、現在ではわかっている。それは両界をつなぐ存在があることの証明であるとされ、またその立ち位置や価値観を証明をした貴重な発言として記録されている(二重生活者[ex:FR]の項を参照)。
またKにおいてはみずから2ちゃんねる出身の批判派に対して、積極的な行動には出ていない。その行動は、あくまで自身のツイッタランドに投稿される意見に対しての対応にとどまった。

Kは擁護派の投稿に頼るだけではなく、経験値をもとに正確な状況をいち早く認識し、批判派に対して個別に真摯な返信をしたうえで、反論ツイートに関してはその内容をリツイートすることで事態の経緯を明確に世間に伝えるといった、公共メディアさながらの対応を取る。これは一部の同世代からはネット上における経験から自然と習得したノウハウに準じた模範的対応と評されている。中にはその高いセーブ力をヘルナンデスくんにたとえる例もあった(なおこの際本人は若林くんだと述べている)。

その後時間を置かず事態は鎮静化し、2018年9月9日時点においては、ほぼ過去のできごととなっている。

 

与えた影響

事変発生後、ツイッタランド上で数件のムルソー購入者による投稿が確認されている。ムルソー事変により、ムルソーの名を目にした一部の世代が懐古的にとった行動(学術的には集団懐古行動[要出典])といわれている。

同時に以上の事実から、ムルソーの流通にこの事変が貢献したという点を評価する声がある。
また結果的には樽のきいたシャルドネを体験するための選択肢がムルソーだけではなくなっているという日本のワイン市場の現状があらためて認識され、Kら20世紀末から始まったワインブーム(別名ワインバブル)を経験した世代が普及活動に努めたその裾野の広がりを再確認する効果をもたらした。


2018年9月のおもな出来事

ムルソー事変の勃発した2018年9月は、台風上陸、地震といった自然災害に見舞われるなど、情勢の不安定な月でもあった。その他のおもな出来事としては以下のような事例が挙げられる。

・9月5日 広島・新井貴浩内野手が現役引退を表明。
・9月8日 テニスの4大大会終戦全米オープン大坂なおみ選手が日本選手初優勝の快挙を成し遂げる。
・9月14日 「チア☆ダン」最終回放映が「全国高等学校クイズ選手権」の放映時間帯と丸かぶりする。


ムルソー事変を描いた作品

ブログ
ルパン四世 EPISODE I「ムルソー事変~Introduction」(2018年、owarai_wine_tokeiya_21st._mirror)
・自由ケ丘の不二子ちゃん(2088年、モソキーパソチ(仮名))

 

関連項目

ムルソー
樽ドネ
日本ソムリエ協会
呼称資格認定試験
テイスティング
峰不二子
自由が丘
キャプテン翼
チア☆ダン
全国高等学校クイズ選手権

 

この項目は、食品・食文化に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしていく可能性がなくもありません。(Portal:食)。

 

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【あらすじ】 アルジェリアのアルジェに暮らす主人公ムルソーの元に、母の死を知らせる電報が、養老院から届く。母の葬式のために養老院を訪れたムルソーは、涙を流すどころか、特に感情を示さなかった。葬式の翌日、たまたま出会った旧知の女性と情事にふけるなど、普段と変わらない生活を送るが、ある日、友人レエモンのトラブルに巻き込まれ、アラブ人を射殺してしまう。ムルソーは逮捕され、裁判にかけられることになった。裁判では、母親が死んでからの普段と変わらない行動を問題視され、人間味のかけらもない冷酷な人間であると糾弾される。裁判の最後では、殺人の動機を「太陽が眩しかったから」と述べた。死刑を宣告されたムルソーは、懺悔を促す司祭を監獄から追い出し、死刑の際に人々から罵声を浴びせられることを人生最後の希望にする。(Source:Wikipedia)
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