アペラシオンリスト(ネタ)

ソアーヴェ・ボーイ

A:どうも~! どうも 『お笑いわいん時計屋』です~。B:懐かしいなぁ。B&A:お願いします~! ありがとうございます~。 A:あー! ありがとうございます~! ねっ、今ボージョレ・ヌーヴォーをいただきましたけどもね。B&A:今頃ね。ありがとうございま…

サン・ブリ~ブルゴーニュ大管区の攻防

1970年代頃から、フランスワインの法定格付けに静かな異変は起きていた。 フランスの地に強大な権力を持ち、ワインにおいては無敵の独裁体制を敷いてきたINAO帝国は、その勢力をさらに延ばさんと、下位格付けのVDQS連邦に属する独立小国家を次々と、みずから…

ポムロル~シンデレラの目覚めを許さない平和理論

ボルドー赤の銘醸地を分類整理するとしたら、まず最初のひと太刀は河の左岸、右岸という区切りで、誰しも文句はいうまい。左岸は当然メドック、グラーヴで、不変の厳然たる格付けに支配された、身分社会だ。 対する右岸を代表するのは、サンテミリオンとポム…

カバルデス~身分を超え民兵団の先陣を切る若き旗手

「コンニチハ! 1999年にAOCに昇格したカバルデスです! よろしくお願いいたします!」 これをやりたかっだけなので、ここで終わってもいいのだが、それやるとダジャレの方向に突撃しそうなイヤな予感がするので、話、続けます。 単なる南仏の安ワインといっ…

セロン~そしてセロンは世論の下、伝説となる

ルーピヤック、カディヤック、サント・クロワ・デュ・モン、モンバジャック、パシュラン・デュ・ヴィク・ビル、ジュランソン。 ボルドーから南西地方にかけては、かの銘醸甘口ワイン、ソーテルヌとバルザックのスタイルを縮小コピーしたかのような、甘口ワイ…

ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ~ご近所みんな佐々木さん(佐藤さんでも鈴木さんでもいいけど)

それにしてもマスカットというブドウは面白い。日本国内では生食用のブドウとして古くから人気が高く、しかもわりとお値段も高い高級品だし、マスカット100%のジュースなんていうのも、ただのグレープジュースより格上な扱いを受けている。一転、ヨーロッパ…

ニュイ・サン・ジョルジュ~押し寄せる暴徒の波に屈した悲劇の彗星

赤ワインの銘醸地として名だたるコート・ド・ニュイに位置しながら、なんとなく一歩置かれた感じのあるアペラシオン、ニュイ・サン・ジョルジュ。彼の地の最南端であるという立地条件のせいなのか、それとも他の村にはあるグラン・クリュがないという土地の…

ブルグイユ~君はロワールに咲く血の薔薇を見る(見ないかもしれない)

1995年は日本のワイン界において、ひとつの新しい歴史が刻まれた年である。第8回世界最優秀ソムリエコンクールにおいて、我が国の代表が、みごと優勝の栄冠に輝き、世界のソムリエの頂点に立ったのだ。そして訪れたのは未曾有のワインブーム。 かねてから、…

アルザス・グラン・クリュ

フランスで法定の特級格付けでありながら、その位置付けを、誰も気にしていない特級AOCがアルザス・グラン・クリュではなかろうか。サンテミリオン・グラン・クリュもよく似た立ち位置のような気がするが、あっちはもう少しその動向を気にしている人がいそう…

ブーズロン

このアペラシオンを語るとき、どうしても外せない造り手がいることは、いうまでもないだろう。世界でもっとも高価なワインといって差し支えない、あのワインの畑のオーナーである。その名前は、今ここであえて挙げる必要もないだろう。 そもそもブーズロンの…

ロゼ・ダンジュー~愛と追憶と薔薇色の日々

アンジューという地には、赤、白も産出する、まんまアンジューとかアンジュー・ほにゃららという一見この地の代表かと思わせられる名称のアペラシオンもあるにはあるのだが、それらはなかなかメインストリームには出てこない。 そりゃそうだ。正攻法で行くと…

アジャクシオ~孤島に隠された認定試験のラスボス

いきなりぶっこんできたとお思いでしょうが。 このアペラシオン、たぶん「アイウエオ順」で一番最初に来るんじゃなかろうか。なんていうか、学生の頃の名簿でいう「相田さん」とか「相木さん」みたいな立ち位置を確立してるような。本人のキャラはさておき、…