アルザス

フランス東部のブドウ栽培地の北限、アルザス

この地方では黒ブドウが色づきにくい気候条件にあるため、白ワインが多く産出される。

また、ドイツ国境に位置するためドイツの領土になった歴史を持ち、そのためかワイン作りにはドイツワインの多大な影響が見られる。

まるで、ドイツはワインだけはフランスに返還しなかったかのようだ。

ドイツの影響を受けたる最たる部分は甘いワインほど高級、高価というフランスでは異色の法律にあらわれている。

通常、フランスワインの多くは土地に格付けしているものなのだが、そんなことアルザスにおいては関係ない。

治外ワイン法権の暗躍するここはまさにドイツ領事館状態。

しかし、よく考えてみるとこの法律はとても合理的だ。

たとえば土地に格付けされた産地では、普通の畑でどんなにいいワインが出来ても、その土地に階級が定められているため、一級のワインを越える評価は法律上では与えられない。
だが、ここアルザスでは収穫時のブドウの糖度が高ければ一発逆転が狙えるのだ。

しかし、こんな自由なアルザスに、一攫千金をねらうギャンブラーな生産者が、フランス全土から集まってくるかといえばそういうわけでもない。

結局のところ、千金を手にしたければ、白ワインを作っていてもだめなのかもしれない。

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2011>>

地味だけど悪くないネタだと思います。
当時のこの記事はフォントをでかくして、「ここを読め」みたいなスタイルで書いていました。
1999年当時は多用していた方法です。トレンドでもあったと思います。
今はなんか、それでしかポイントを伝えられない文章力が露呈するような気がして嫌いなんだけど効果があることは認めます。
結果その方法を受け入れる「一周まわって元通り」みたいな俺がいるよな。
ワインの好みにおいてもそうかもしれません。

 

 

いちばん甘いやつです。ちなみに、セレクション・グラン・ノーブルは厳密にいうとSelection de Grains Nobles」であって、「Grand Nobles」ではありません。「スゲー高貴なセレクション」じゃなくて、「貴腐した粒を選んだよ」ってことでいいかと思います。