ルーサンヌ&マルサンヌ

この世界最高のタッグチームは、不思議とマルサンヌとルーサンヌという順序で呼ばれることはほとんどない。
なぜかはしらねど、ルーサンヌのほうは、高級白ワインの原料になっているくせに、「世界のワインの権威」某氏にその著書で、説明をハショられるという大技を披露したこともある。

このタッグの最高傑作、エルミタージュの持つ、酸化熟成のはてに出現するラムレーズンのような香りは高く評価しなくてはなるまい。
ただ意外なことは、クラシックな作り方のワインであればあるほど、フレッシュ感やフルーティーさがまったくないのに酸味がいきいきとしていることである。
これは、元々酸度の低いブドウである上に、南の産地なのでますます酸がなくなるという傾向があることに起因する。

すなわち、そこまで酸が少ないブドウを使って、酸化熟成させたワインを作った上に、長期熟成させなければならないというエルミタージュの宿命を打破するたったひとつの技が「マロラクティック発酵しない」という手段であったのだ。

おかげさまで、本来フレッシュでフルーティーなワインの魅力のひとつであるリンゴ酸が、すえたような香りのワインに存在するというこのうえない個性を生み出している。

古式ゆかしい作り方をしていない場合は、この範疇にはなく、マロラクティック発酵した上にアプリッコト香バリバリという、遊園地のビックリハウスのごとく、三半規管を狂わせる逆転の発想の果てにおかしなヴィオニエもどきが生まれる。

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2011>>
俺、エルミタージュの白好きだな。

 

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何年度版かもう記憶にないですけど、たしか1990年代の終わりごろに流通してたこの本の話です。