【シ】シンデレラ・ワイン

歴史のある産地から突如として現れる高評価ワイン。
多くは実績のある醸造家がてがける新生シャトーのワインだったりして、初リリースの時点からいきなり信じられない高価格で取引される様がシンデレラに例えられる。

ただし、そのワイン自体あくまで新生シャトーであるため高値をつけている割りには、まだ一度も飲み頃を迎えたビンテージというものは存在しない。

今から20年程度過ぎて、ワインがついに飲み頃を迎えた時、意外に大した事なかった、というオチも考えられる。

丁度、シンデレラが12時の鐘を聞いてただの灰かぶりに戻ったように世間の熱も冷めるかもしれない。

ちなみにこの手のワインは格付でがんじがらめに合うメドックでは誕生の余地がなく、主に無法地帯となっているのがポムロルやサンテミリオンであることにも注目したい。

 

2005>>
これは先見の明があったというか、みんなそう思ってたよというか、
結構、実際にそうなった気がします。

ヴァランドロー20万円とか、今となっては笑ってしまいますね。

そしてもうひとつ注目すべきは、「無法地帯」の広がり。

いまやポムロルどころか、「ボルドー・スーペリウール」とか「ただのボルドー」まで、仁義なき戦いの鬨の声が聞こえっぱなしです。


2011>>
さらに6年の月日が経ち、なんだか、兵どもが夢のあと、という感じです。

ここまで落ち着くと、当時のシンデレラたちはごく普通のいいワインです。
ちょっと濃い系なので好みは分かれる、というくらいのものではないでしょうか。