ブドウ品種(白)

フクセルレーベ

「フクセルレーベ」は1927年、シャスラとクルティリエ・ムスケの交配によって誕生したドイツの交配品種。ただでさえ、大物を配合しないドイツの交配品種の中でも、燦然と輝くような、小物感漂う配合がいとおしさを感じさせる。 ジャンシス女史の解説本による…

ミュスカデ

ロワール河下流でもっとも有名なブドウ「ミュスカデ」。その起源はブルゴーニュにあるという。 現在ロワールで生まれるミュスカデワインは、さらりとした口当たりと、シャープな酸味がかもし出す軽やかな全体像が語られている。しかし、このブドウのワインの…

シンフォニー

「シンフォニー」というこの壮大かつ大仰なネーミング。配品種にわかりやすくもたいそうな名前を付けるのは、ある種のお約束なのかもしれない。 しかしたとえばドイツのバフースのようなネーミング(酒神・バッカスの意味)と違い、英語で付けられると、日本…

ヴィオニエ

「ヴィオニエ」といえばコンドリュー。本来はローヌ北部の一画で、面積は狭いが国民の団結力が高く、財政的にも裕福な独立小国家のような存在であった。 しかし、ここ数年の間に誰かが、ローヌ以外の南仏でこのブドウを植えてしまったからさあ大変。そのアプ…

甲州

日本を代表する白ブドウ「甲州」。 「ヴィニフェラ系に属する東洋系ヨーロッパ品種」という、アフリカの聞いたこともない国出身の素性の知れないマラソンランナーのような肩書きを持つが、立派な日本の在来種である。 過去、日本市場が受け入れた、ワインの…

ガルガーネガ

名前のインパクトは強いが味のインパクトは薄い「ガルガーネガ」。しかしなんと言ってもあの「ソアーヴェ」の原料である。日本では古来より親しまれてきたはずのブドウだと言ってよい。 だが実際のところ親しまれてきたのは当時「ソアベ」と表記された飲みや…

ピノ・ブラン

カリフォルニアではシャルドネを模倣したスタイルで、ぐいぐいと頭角を現し、気がつくと本場のブルゴーニュ・ブランより高い「カリフォルニア・ピノ・ブラン」が誕生するという収拾のつかない事態に。しかし、そもそもなぜこんな地味なブドウがそんなところ…

ジャケール&アルテッセ

「ジャケール」と「アルテッセ」。それはまさに「サヴォワのルーサンヌ、マルサンヌ」とでも呼ぶべきタッグブドウ。その地におけるこの組み合わせの定番度合は、フランスブドウ史上、本当にエルミタージュ・ブランに次ぐものかもしれない。 しかし、生み出す…

アリゴテ

世界に名だたるブルゴーニュ白ワイン。その白ワイン界第二の男「アリゴテ」。そう聞くと一瞬すごいのかと思ってしまうが、実際にはそんなに輝いていない。 たしかに、シャルドネに次ぐブルゴーニュ地方の白ワイン用ブドウ品種ではあるが、第三の男がそもそも…

ミュスカ

生食ブドウとしての高級感と、ワイン用ブドウとしての安っぽさのアンバランスさは一体なんなのだろうか。 つまるところ、生食用として香り高く美味しいということは、ワインになってさえ、その新鮮な香りで勝負しなくてはならないため「熟成して複雑な香りが…

ルーサンヌ&マルサンヌ

この世界最高のタッグチームは、不思議とマルサンヌとルーサンヌという順序で呼ばれることはほとんどない。なぜかはしらねど、ルーサンヌのほうは、高級白ワインの原料になっているくせに、「世界のワインの権威」某氏にその著書で、説明をハショられるとい…

ピノ・グリ

まずはっきりとさせておかなくてはならないのは、ピノ・グリは、ピノ・グリージョではない、という点だろう。 そもそもこのブドウの魅力は肉厚でとろりとしたボディ、まろやかな酸味、そして一瞬甘口かと思わせるその全体像である。そのすべててを一言で言い…

シュナン・ブラン

ロワール地方の至宝、サヴニエールとヴーヴレを生み出すのがこのシュナン・ブランである。キンモクセイやカリンの香りにたとえられる甘い香りと、なぜか感じる(特にサヴニエール)シェリーのようなノワゼット香がこの品種の特徴だと言えよう。 若いヴィンテー…