ピノ・ブラン

カリフォルニアではシャルドネを模倣したスタイルで、ぐいぐいと頭角を現し、気がつくと本場のブルゴーニュ・ブランより高い「カリフォルニア・ピノ・ブラン」が誕生するという収拾のつかない事態に。
しかし、そもそもなぜこんな地味なブドウがそんなところまで上り詰めたのだろう。考えられる要因として「特徴がないこと」が挙げられるのではないか。

そもそも、シャルドネ自体が元々の生のままの状態ではあまりにも素直。だからこそ「いじりまくれる」という特徴のなさを特徴に「醸造家のおもちゃ」として白ワインの王様の座に輝いたのだ。
ピノ・ブランの特徴のなさを考えれば、その道を後追いするのはあまりにも容易。

その座に輝いたのが決してゲヴュルツトラミネールでなかったのもよくわかる。ガルガーネガでもよかった気はしますが。

そして時代は醸造学、科学力がさらに発展した21世紀に入り、ピノ・ブランは素直でフレッシュな本来の姿をキ○ガ○科学者にいじりまくられることで「新世紀のフランケンシュタイン」として大活躍の予感。

---------------------------------------------------------------
2011>>
すいません。
そんなに活躍してませんね。
フランケンシュタインネタの出どころはここです。

 

 

一回ちゃんと読んだほうがいいですね。ネタにしてる以上。

怪物くん 雑貨 通販藤子 その他 ...

怪物くん 雑貨 通販藤子 その他 ...
価格:2,699円(税込、送料別)

 

きっとこんなオトボケじゃないでしょう。

スーパーセール  送料無料 【RUBIE'S ルービー...

スーパーセール  送料無料 【RUBIE'S ルービー...
価格:9,180円(税込、送料込)

 

なんだこりゃ。

ジャケール&アルテッセ

「ジャケール」と「アルテッセ」。
それはまさに「サヴォワのルーサンヌ、マルサンヌ」とでも呼ぶべきタッグブドウ。
その地におけるこの組み合わせの定番度合は、フランスブドウ史上、本当にエルミタージュ・ブランに次ぐものかもしれない。

しかし、生み出すワインが「ヴァン・ド・サヴォワ」なので、けっして表舞台に上がれることはありえない。
まかり間違って妙に気合を入れた生産者が「ア・ビームで樹齢100年」とか「アプルモンでヴァンダンジュ・タルディブ」とかやったとしてもダメだろう。

そもそもが「サヴォワのルーサンヌ、マルサンヌ」と言われるあたりで、特産の品の名を冠した地方限定の「ミスなんとか」みたいな「井の中の蛙」感を漂わせているのだから。

----------------------------------------------------------------
2011>>
井の中の蛙

この表現に、「高校野球における九州のバース」というのをよく使ってましたが、2005年に書き換えたみたいです。
(あ、俺がね)
「地方限定のミスなんとか」いいんじゃないでしょうか。

2015>>
今さらしみじみ思うのですが、ジャケール&アルテッセでネタを書ける自分のポテンシャルには、ちょっと驚きました。
客観的な視点って大事ですね。

 

ヴァン・ド・サヴォワ アビーム[...

ヴァン・ド・サヴォワ アビーム[...
価格:1,620円(税込、送料別)

 

アビームってなんか心の琴線に触れませんか。「ビーム」ってところ。子どもの頃に見たアニメのロボットの目からビーーーーーッ! って出るやつみたいで。男の子だからですかね。あと、目からビームの出るロボットって時点で、ビフォア・ガンダムな感じで世代がバレますね。

アリゴテ

世界に名だたるブルゴーニュ白ワイン。
その白ワイン界第二の男「アリゴテ」。
そう聞くと一瞬すごいのかと思ってしまうが、実際にはそんなに輝いていない。

たしかに、シャルドネに次ぐブルゴーニュ地方の白ワイン用ブドウ品種ではあるが、第三の男がそもそも存在しない。

気合を入れて探せばサシーだのピノ・ブランだのピノ・グリだのも出てこないではないようだが、それらの輝きは六等星以下。
肉眼で見えるうんぬんどころの基準の適用すら難しい。

しかしかといってアリゴテは悪いワインではない。
純粋な果実味といきいきした酸味、フレッシュな印象を残してミネラルを上手く取り込むと、シャブリとまごうばかりのワインに変身するのだ。そんなアリゴテではキールなんか作っている場合ではない。ただ、いかんせん、そういうアリゴテは高い。

アリゴテなのにアリゴテと思えない」
アリゴテになぜこんなに払わなければならない」

こういう声が消えないかぎり、アリゴテはブルゴーニュのミュスカデの座をプティ・シャブリと争いつづけることだろう。

----------------------------------------------------------------
2011>>
鳴り物入りで登場したブルゴーニュの大物の跡つぎ。
ニコラ・ルジェのアリゴテ初めて飲んだ時ビビりました。
レモン汁かと思いました。

出してくれたワインバーのマスターが年輩の方で、「私はこういう酸味の利き方アリゴテっぽくて好きなんですけどね。
 昔はみんなこうだったのに、最近は肉厚なアリゴテが増えて、 これ、みんな酸っぱいっていうんですよ」とゆるく微笑んでました。

そしてそのバーのカウンターには開栓したクレーム・ド・カシスが置いてあって、「あ、それ、そのアリゴテのグラスワイン頼んだ人にサービスしてるんです自由に入れていいですよ」といわれました。

 

 

望遠鏡ってこんな値段からあるんですね。

 

今でもすっぱいんですかね。思い出しただけで唾液出てきました。

 

こういうのがホントにカウンターの端っこに置いてあったんです。

ミュスカ

生食ブドウとしての高級感と、ワイン用ブドウとしての安っぽさのアンバランスさは一体なんなのだろうか。

つまるところ、生食用として香り高く美味しいということは、ワインになってさえ、その新鮮な香りで勝負しなくてはならないため
「熟成して複雑な香りが生まれる」という、高級ワインのステータスをブドウ品種そのものがそもそも目指すことができないということなのだ。

ミュスカはミュスカであるために「そのまんまマスカット」でなくてはならないのである。

甘口のものは酒精強化されるのが一般的なので、アルコールと糖分で長持ちするはずなのだが、そんなことにチャレンジしたという例は聞かない。

ただ、「初心者」「女の子」「飲めない人」という、もっとも難儀なテイスターにすすめても、大外ししないのはこのワインならでは。
ボトルが綺麗だとか、ラベルがカワイイだとかそう言ったミーハー系付加価値があればさらに完璧だ。

-------------------------------------------------------------
2011>>
ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズをトニックウォーターで割ったりそんな変化球を認める心のゆとりができました。

昔は「ワインに手を加えるなんて邪道!」と、かたくなでしたが、若かったんですね。

けどスプリッツァーが美味しいかといわれると、今もってビミョー。
でも信念が違うんです、あの頃と。年取りましたね。こうして人は丸くなっていくんでしょう。

そしてこのサイトもぼんやりとブログになってはんなりと残っていくんです。
ワイン業界に一石投じるとか毛頭考えていません。

 

 【送料無料】コリス そのまんまソーダ ...

 【送料無料】コリス そのまんまソーダ ...
価格:1,330円(税込、送料込)

 

「そのまんまマスカット」はもう廃盤なんですかね~。ネタとして生きてきませんでしたね。

ルーサンヌ&マルサンヌ

この世界最高のタッグチームは、不思議とマルサンヌとルーサンヌという順序で呼ばれることはほとんどない。
なぜかはしらねど、ルーサンヌのほうは、高級白ワインの原料になっているくせに、「世界のワインの権威」某氏にその著書で、説明をハショられるという大技を披露したこともある。

このタッグの最高傑作、エルミタージュの持つ、酸化熟成のはてに出現するラムレーズンのような香りは高く評価しなくてはなるまい。
ただ意外なことは、クラシックな作り方のワインであればあるほど、フレッシュ感やフルーティーさがまったくないのに酸味がいきいきとしていることである。
これは、元々酸度の低いブドウである上に、南の産地なのでますます酸がなくなるという傾向があることに起因する。

すなわち、そこまで酸が少ないブドウを使って、酸化熟成させたワインを作った上に、長期熟成させなければならないというエルミタージュの宿命を打破するたったひとつの技が「マロラクティック発酵しない」という手段であったのだ。

おかげさまで、本来フレッシュでフルーティーなワインの魅力のひとつであるリンゴ酸が、すえたような香りのワインに存在するというこのうえない個性を生み出している。

古式ゆかしい作り方をしていない場合は、この範疇にはなく、マロラクティック発酵した上にアプリッコト香バリバリという、遊園地のビックリハウスのごとく、三半規管を狂わせる逆転の発想の果てにおかしなヴィオニエもどきが生まれる。

--------------------------------------------------------------

2011>>
俺、エルミタージュの白好きだな。

 

【送料無料】 ポケット・ワイン・ブッ...

【送料無料】 ポケット・ワイン・ブッ...
価格:4,536円(税込、送料込)

 

何年度版かもう記憶にないですけど、たしか1990年代の終わりごろに流通してたこの本の話です。

ピノ・グリ

まずはっきりとさせておかなくてはならないのは、ピノ・グリは、ピノ・グリージョではない、という点だろう。

そもそもこのブドウの魅力は肉厚でとろりとしたボディ、まろやかな酸味、そして一瞬甘口かと思わせるその全体像である。
そのすべててを一言で言い表すのが「桃」という表現だろう。
甘い香り、みずみずしさ、とろみ。すべてがこの一言に集約されている。
つまり、色薄く、味薄く、印象薄いピノ・グリージョとは区別をするべきである。

しかし、そんなにいいワインになるのに、レストラン、酒販店、どこのリストを見てもアルザスのワインとして扱われる定番はリースリングとゲヴュルツトラミネール。

ピノ・グリはミュスカと並んで、置いていないことが多々ある。
この、店舗に置いていない確率の高さはピノ・グリのマイナー化を大きく推進している。

----------------------------------------------------------
2011>>
なぜ私は時計屋なのか。
その謎のすべてがここにあります。

Tokay Pinot Gris

時計ぴの

ぴのきち (これは寄り道)

時計屋

なんとなくサイトをやるときに屋号をつけようと思ったんですね。

それで「お笑いわいん時計屋」とつけて(最初はわいんはカタカナでワインでした)時計屋を運営しているぴのさんだったわけですが、まあ時計屋になっちゃったわけです。

そういえば、「お笑いわいん時計屋」に本気で、形見のロレックスの鑑定依頼してきた人がいましたが、その後、その価値は判明したでしょうか?
紹介できる時計屋(本物)も古物商もいなくて、そのせつは失礼しました。

 

 

OH済み!ROLEX(ロレックス) 青サブマリーナ 1661...

OH済み!ROLEX(ロレックス) 青サブマリーナ 1661...
価格:858,000円(税込、送料込)

 

当時鑑定できなかったんでちょっと参考までにご紹介しておきますね。

 

いやー、時計ってすごいですね。ワインでいうとペトリュス二本買えちゃいかねないですね。

ROLEX(ロレックス) デイトジャスト69174G WG...

ROLEX(ロレックス) デイトジャスト69174G WG...
価格:428,000円(税込、送料込)

 

なんか当時わかりもしないのに、ふざけて鑑定したりしなくて良かったです。

シュナン・ブラン

ロワール地方の至宝、サヴニエールとヴーヴレを生み出すのがこのシュナン・ブランである。
キンモクセイやカリンの香りにたとえられる甘い香りと、なぜか感じる(特にサヴニエール)シェリーのようなノワゼット香がこの品種の特徴だと言えよう。

若いヴィンテージなのにもりもり感じるその熟成香のような香りは、明らかにロワールのもうひとつの雄フュメ・ブランにはない奇跡の悪臭である。

「不自然な熟成香」と「酸っぱいのにハチミツ」この2点が最大の特徴なのだ。

カリフォルニアのジュースみたいなシュナン・ブランはもちろん、南アのスティーンなんかはなりえない大人のワインになるのがロワール産なのである。

--------------------------------------------------------------------
2011>>
初めて「クレ・ド・セラン」をブラインドで飲んだ時、「1800円くらいの気軽な白ワイン」と答えたのはもう十五年以上前。
経験値が必要な美味しさというものはある。

ハリウッドの映画がパッと見てすぐそれなりに面白いのは、シャルドネのようなわかりやすい高級感であって、だけど自分は「ストレンジャー・ザン・パラダイス」みたいなのが好きでたまらない。

 

 

 

とにかくこの映画はすべてのシーンが美しくて、若く幼かった自分にものすごい何かを植え付けてくれました。話自体は淡々としていて何がどうでもないのに、世界中を魅了したのは等身大の自分の生活も少し視点を変えればこれくらいキマってるんじゃないか。くだらないと思っていたこと、カッコ悪いと思っていたことももしカメラを通せば、ファッションに昇華するのではないかみたいな価値観というか。そして誰か自分の生活を自分が気付かないように一年くらい撮り続けてくれてアルバムにしてくれないかなんて思ったものでした。

 

何気ないワンシーンがアートとして商品になるんですよね。

 

この年代にこういう生き方をできなかったからこそ、いつまでも記憶に残るんだと思います。そして自分のやらなかったことを次の世代を演出して作品にしたくなるんじゃないでしょうか。